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2018(平成30)年度の活動

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第123回 10月30日(火)参加者10名
  ≪指導事項≫

1.「神峰山(かみのみねやま)」先生著
  平成29年8月11日「山の日」に、先生の故郷である広島県大崎上島で、
  神峰山大会(第一回)が開催された。そこで朗読されたのが本著に
  収められた5作品である。本として世に出ることになったのは、本著の
  一篇「ちょろ押しの源さん」が、文芸同人誌『川』3月号に、掲載されたのが
  きっかけだったとのこと。
  後述する「小説技法」の具体的な説明として、本著の文章を紹介して
  いただいた。
2.文学書を狙う小説技法
  小説は、説明文でなく、徹底して描写文で書く。エッセイも同じ。
・ 対象に対して叙述、修飾を重ねる。
・ 心理描写、情景描写、人物描写の三つ。
  この描写は勉強しないと会得できない。
  常日頃、良い文章、素晴らしい情景描写など、気に入った表現は
  記録することが肝要(本を読むことの意義)。 
 (1)心理描写・・・・心や感情の「動き」をていねいに追って表現する
  ・感情+動詞 
   <悲しみが心の奥にまでしみ込んでいく>
  ・感情の透き間、合間、中間を書く 
   <(その一言が、私には)もどかしく、気をもんでしまう>
  ・ひと言の感情用語に、複数の情緒を重ねる
   <(誉められて)嬉しくもあり、恥ずかしくもあり、気をもんでしまう>
 (2)情景描写・・・・名詞に対して、一つ、二つの修飾をする(三つは多すぎ)
   <色づいた 一葉の もみじが・・・>
 (3)人物描写・・・・人の特徴を表現 (容姿・顔・性格・思考・会話(喋り言葉)
   などから)
  ・会話文で相手に性格を語らせる方法も有効
   <あなたはずるくて、卑怯だけれど、なにか憎めないのよね>

 事務局から
今回は10名と、比較的少ない人数での開催となった。向かい合う席づくりをして、皆の顔を見ながらの品評で、大いに盛り上がった。
 二次会は、「魚屋一丁」。先生を囲んで、にぎやかな宴となった

第122回 9月24日(月)参加者9名
 8月は、エッセイ教室も夏休み。一か月間英気を養ったメンバーが、顔を合わせた。
 この一年間の、教室参加者全員の作品を取りまとめた、『エッセイ教室百二十回記念誌』が発刊され、この日の参加者に配布された。116作品が納められ、西原先生からも序文をいただいている。
 リーダー会の日程と重なったことなどから、今回も参加者が9名と少なく、前回同様先生の添削原稿が先に配布され、それを自身の元原稿と突き合わせ、確認しながら、充実した意見交換を進めた。先生から、最近の作品はグレードアップしており、直すところがない。無理して添削している、とのお話もあった。

 ≪指導事項≫
①描写分の書き方
・描写文には、心理描写、情景描写、人物描写がある。学校の作文、企業の企画書、報告書は描写文ではない。概念(手あかのついた表現)からの脱却を心がけ、自分の言葉で書くことが必要だ。
・心理描写は、推敲の段階で、描写文に変える。例えば、悲しい、辛いと言っても、どのように悲しいのか、何が辛いのか、人によって受け取り方が違う。そこを書くのがエッセイの極意である。独自性・独創性のある文章が、相手の心に響く。五感を活用するのも効果的である。見るだけでなく、ちょっと触ってみる、嗅いでみるのもよい。
・情景描写には、遠近法を使う。手前に池、庭、そしてその奥に人がいて、遠くに入道雲。立体的に表現し、色、明暗を使うのもコツである。
・人物描写は、自分が書いても読み手に伝わらないことがある。例えば妻に、「あなた何しているの!」と入れるなど、相手に言わせるだけで、生き生きした文章になる。想像で人物を描写する。動作と絡ませるのもよい。
②エッセイのテーマが無くなったら。
「10年以上教室でエッセイを書き続けると、最近は種が尽きた感じがする。どうすればいいだろうか」という意見が出た。先生は、「書くことが無くなった、と感じてからが勝負」と言われた。
 先生の師、伊藤桂一さんの話をされた。長い橋を歩いて渡ると、中央で向こうから歩いてきた人に出会う。それが新しく書き出すテーマになるのだ、と。

 事務局から
*・『エッセイ教室百二十回記念誌』が発刊された。
*二次会は、新たに開発した「銀座ライオン新橋店」に8名が集合。いつもに増して、楽しく有意義な集いだった。

第121回 7月23日(月)参加者9名
 連続する猛暑の影響もあるのか、体調を崩す会員もおり、今回の参加は女性三名、男性五名、計八名という寂しさだった。
 いつものミニ講座に代わって、冒頭に西原先生から、先週ご自身の故郷広島で、講演会の講師をされた時の話があった。その講演会場は、西日本豪雨災害の避難所になっているそうで、災害を受けて避難している人たちの感覚を、次のように伝えられた。
 極端に言えば、あっけらかんとしていた。悲しむより「生きていてよかった」「助かってよかった」という意識が感じられた。これは、原爆を受けた人たちの体験が生きているのだろうか。
 東日本大震災の時の被災者は、悲壮感にあふれていた。被災の状況などを、とても聞き出せる雰囲気ではなかった。県民性の違いもあるのだろうが、そのような印象を受けた、との話があった。
 参加者が少なかったこともあってか、非常に密度の濃い、充実した勉強会だった。いつもは、各人が提出し、全員が事前に目を通した原稿について、内容的に、あるいは文章の組み立てなどに意見交換を行い、そのあとに、先生のご指導がある。そして最後に、先生に添削いただいた原稿を、本人に戻していただく。
しかしこの日は、先ず全員に先生の添削原稿が渡され、指摘された箇所を、自身で確認しながら、意見交換を行った。
自分の書いた作品と、先生の指導が入った原稿とを見比べながら、仲間の意見、指摘を受けるのは、とてもよい勉強になった。人数の多少により、講義方法、授業内容を柔軟に進めていただく、よい事例だったと思う。

 事務局から
*8月は夏休み、次回の教室は9月となる。
*120回記念誌用の原稿(111回~120回修正原稿)が、全員から
  提出されたので、事務局でチェックし、出版の準備が始まる。
  記念誌は9月教室で配布予定。
*年に一度、10月10日に発行される、クラブ誌『元氣に百歳』19号の
  ゲラ校正が別室で行われていた。エッセイ教室のメンバーも、普段の
  力量を活かし、午前中全員で応援した。

第120回 6月25日(月)参加者10名
 ≪指導事項≫
 ―私たちが教室で書く作品の、文中に出てくる、文体、および漢字、会話、
   数字などの表記について、迷う場合がある。そのルールは、新聞社、
   出版社などによって、まちまちであるが、それらの使い方について、
   事例を挙げて説明があった―


*文体
 ・地の文だと、「です・ます」調は緩む。「 」内は「です・ます」調でよいが、
  「 」外は、「である・だった」調がよい。
 ・「のだ」は多用せず、最後に一つ使う程度にする。途中で使うと、文章が
  そこで終わったようにとられる。
 ・「 」内の最後に、「 。」を入れるのは、基本的にやめる。学校教育では
  文部科学省の指導要綱にもあり、正しい使い方だが、通常の文章では
  使わない。
*漢字の使い方、送り仮名について
 ・(例)気持がいい この送り仮名、は、状況に合わせて使用すればよい。
  文章の味を大切にすることが第一。
 ・一つの原稿の中で、同じ言葉が、漢字とひらがなで混じって出てくることが
  ある。これも適当に選んで、使い分ければよい。
 ・読者が「意図的にやっているな」と感じる使い方を考える。
*「 」の使い方
 ・最近の大手新聞の記事は、行の頭にある「 」を一字分落としているが、一番   上から書き始めている例もある。どちらを選ぶか。強調のためなら、文章で
  表したい。
・書籍名、曲名、展示会名などは、『 』を使用する。更に『 』の中に括弧が必要
  な時には、< >などを使用する。
*人名
 ・最初に出てきたときは、フルネーム、以下は名字か名前でよい。人物の
  キャラクターで選んで使用。
*数字
 ・若い人用:2018(平成30)年
  年長者用:平成30(2018)年 
  このような表記が、大手新聞の基本になっている。
 ・◎:2015~18            ✕:2015~2018
 ・◎:クラス会の集まり25~26人  ✕:25~6人
*その他
 ・30キログラム   20センチメートル   赤色部分は不要

 事務局から
*今回120回までの原稿(10回分)を、一週間以内に見直し、
  修正原稿をフォーマットにいれて、事務局に送付する。
  それをもとに第120回記念誌を編集、印刷し、9月教室で
  配布の予定。

第119回 5月22日(火)参加者10名
 ≪指導事項≫
 ―書き出しについて―

 エッセイは、先ずは書いてみたいことを一気に書くことから始まる。そして書き出しは、全体の構成を考えながら、一番盛り上がったところから書き出すことが肝要である。そのためには、捨てる勇気も必要だ。
 例えば川端康成の小説『雪国』は、「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。・・・・・・」で始まっているが、上野出発からトンネルに入るまでの前段部分は、恐らくカットしたのではないか、という説もある。
 ということは、よいエッセイを書くには、捨てる勇気が求められる。書き出しから結末まで一気に読ませるには、それが必要なのだ。西原先生自身も、現在執筆中の小説については、書き出しから原稿用紙80枚分くらい捨てた、とのことである。
 本日の作品を例に、具体的な説明があった。

①紀行文、旅情エッセイは、行ったところをダラダラ説明せず、
  最も印象に残ったところに絞り込んで書き出す。
②書きたい素材を出す前に、登場人物との関わり合いを、
  二、三行会話で入れる。会話は掛け合いで入れると効果的。
③長めに書いておいた文章の、切り捨て方が重要。
  第一センテンスの活かし方に注力する。

 事務局から
今回が119回であり、120回記念誌の編集に、事務局で取り掛かっている。
 修正原稿早期提出を、再度お願いした。
 記念誌は9月教室で配布予定。
事務局メンバーの一人、廣川登志男さんの長期欠席が報告された。
クラブの編集チーム・メンバーから、年に一度発刊されるクラブ誌 『元氣に百歳』 19号への、早期投稿依頼があった。

第118回 4月24日(火)参加者11名
 ≪指導事項≫
 ―伏線について―

作品の出来栄えを上げる有効な手段として「伏線」は大事。
伏線がないと、5W1Hを淡々と記述した「記事」になる。エッセイは叙述文学である。読み手の感情にいかに訴えるかが大事。そこが、文学賞をとれるかどうかの分かれ目となる。  
「伏線」の役目を簡単に列記する。
①作品の「割れ」を回避……伏線で回避させる。すなわち、読み手に「これが言いたかったのか」と、事前にその話題を挿入させておく。
②「偶然」を避ける…………突拍子もない事象(cf:飛行機事故に遭遇 など)を事前に「そ れとなく」「さりげなく」挿入する。
③ラストの盛り上げを狙う…「そういう事だったのか」という深い感動を与えるための 「伏線」を入れ込む。俗に「どんでん返し(裏切り)」「予想外(想定外)」「底が割れない」効果を狙うことで、読み手の感動を最大にする。
「伏線」の入れ方だが、最初から狙って入れ込むのはかなり困難(無理)。
作品を書いた後で、「伏線」を考える。如何にして読み手に感動を与えるかに腐心すべし。

―本を読むことの意義―
人間は万能ではない。一度読んだだけでは、頭に残らない。
良い文章、素晴らしい情景描写 など、気に入った表現は記録することが肝要。読みながら書く。それによって「自分の血肉」にでき、読んだ価値が生まれる。
先月も同様のことが記されている。
「良い文章に触れたら、それをノートに書きとめる習慣を、身に着けたい。書かないと、人前で話ができないし、読者を引き込めない。ひたすら書くことで、人の文章の言葉、表現を、自分のものにするのである」

 事務局から
毎月の作品集(締め切り後に送信する全員の『エッセイ作品集』)について、締切り翌日に、現在は送付しているが、今後、翌々日までの送信も可としたいと提案し、了承を得た。
・原稿の提出、確認のメールについて、再度話し合った。

第117回 3月26日(月)参加者12名
 ≪指導事項≫
 ―感情表現について―

 エッセイは叙述文学である。今回寄せられた作品を読むと、物事の順序を追って、上手にまとめられている。しかし、感情表現用語の使い方が、少ないようだ。作者と読者が、作品を共有するポイントになる感情用語を、もっと入れる工夫をしてほしい。感情表現を意識して増やさないと、老人文学になってしまう。作者が読者と共有したい感情を、書き込む必要がある。

 今回の作品に、感情表現を加えてみる。
・その場を立ち去りがたいほど、とても口惜しい
・妻の顔を空港で見て、単身赴任の私は心の底から嬉しかった
・生野菜のサラダに青虫を見つけ、思わず身震いするほど気色が悪い

―ノートに書く習慣―
 個別の作品について、講評、質疑がスムースに進行し、本日の学習全般に関する自由な討論となった。充実した意見交換ができた。その中で、特に強調されたのは、良い文章に触れたら、それをノートに書きとめる習慣を、身に付けたい。書かないと、人前で話ができないし、読者を引き込めない。ひたすら書くことで、人の文章の言葉、表現を、自分のものにするのである。

 事務局から
・『エッセイ教室百二十回記念誌』発行の準備が始まっている。修正原稿の提出依頼が、再度事務局からあった。
・原稿の提出、確認のメールやり取りについて、一部投稿者と事務局の間で不具合が発生した。メールの受発信については、お互いに確認することを申し合わせた。

第116回 2月26日(月)参加者11名
 ≪指導事項≫
 ―会話の上手な表現方法―

(1)強調を人物描写につなげる
  ・相手の表情(喜怒哀楽)を語らせる「今日の顔色、悪いんじゃないの」
  ・相手の行動を語らせる 「そんなに汗だくで、どこに行くのよ」   
  ・相手の性格を語らせる 「偉そうぶって、あなたは自慢話が多いん
   じゃないの」
  ・私の心理を伝える   「全部ぶん投げて、あなた(夫)と別れたいわよ」
  ・ストーリーを切り替える「ところで、春の野鳥を探しに行かない」
(2)会話のやり取り、挿入のコツ
  ・会話のやり取り「  」「  」は、YESで受けない。NOで受け止める。
  ・文章全体を地の文にすると、紙面が真っ黒になる。一方、会話を
   含めて改行ばかりだと、スカスカで厚みがなくなる。400字詰め
   原稿用紙2枚に、3か所くらいの会話が入ると、バランスがよい。
  ・会話を大目に書き込み、全体のバランスを見ながら凝縮するのが、
   コツである。
  ・最初の一行目は、「  」で始めない。必ず地の文で始める。これは
   文学の基本ルールである。会話で始めると、作者が冒頭の会話に
   酔ってしまう。 

 事務局から
・教室の仲間、武智弘さんが、2月16日に急逝された。
 戦争体験を語り継ぐ、 貴重なエッセイを書かれていた。
 ご冥福をお祈りする。
・120回記念誌の準備を始めるため、修正原稿の提出をお願いした。

第115回 1月23日(火)参加者13名
 年が変わって、最初のエッセイ教室だ。今年も西原先生ご指導のもと、
より良い作品を生み出すべく、精進、努力を誓ってスタートした。
 今回の講義テーマは、「タイトル(題名)」についてであった。先生から、
下記のポイントについて、ご指導があった。

・指導事項
①タイトルの固定
 タイトルを、あまり早く固定する(決めてしまう)と、内容がそれに縛られる。
 骨格のしっかりしたものを先に決めると、それにとらわれてしまい、本来
 書きたかったものを忘れてしまう恐れがある。まず仮タイトルで書き上げ、
 再考するとよい。
②タイトルの文字数
  エッセイの場合、タイトルは七文字以内の奇数(3、5、7字)であれば、
 バランスがとれて、おさまりがよい。
③動きのあるタイトル
  動きのある言葉を並べてみると、よいタイトルになることがある。例えば、
  「緩やかなカーブ」「届いたスケート靴」など。ロープウェー、階段など、
  動きのあるものをうまく利用する。
④異質なものを二つ並べてみる
  素材が二つ相対すると、深み、奥行きのある作品につながることがある。
  書き手にとっては、よい方法である。
⑤違和感を持たせる
  例えば今回の作品で、海賊、中学生を取り合わせたタイトルの作品が
  あった。どんな関係なのか分からず、読者はとりあえず興味を持って
  読み始める。
⑥味覚、色、光・陰影などを、使う方法
  「黄色い雪」「赤い大山詣で」「光るベージュ」など、ありえないテーマを
  考えてみるのも、面白い。

 以上まとめると、
*単体だけをテーマにしない。
*仮タイトルを、おいてみる。
*別々のもので走り出し、最終的にまとめる。

 また、今回提出された作品に対して、次のような指導もあった。
①二人称エッセイ(文中の少女を、あなた)に適した作品あり。
②「・・・そう呟きながら・・・」「・・・指を折りながら・・・」をうまく使いたい。
③夫婦二人だけの、十分程度の対話に素材を絞っている、良い作品あり。

 次回の講義テーマは、「会話」について、とする。
 

 事務局から
115回が終わりました。
「120回記念誌」用の5作品を、推敲して事務局に送ってください。


講師:西原健次 毎月1回開催(1月、8月休講)
場所:新橋「生涯学習センターばるーん」 
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